2010年4月5日月曜日

議事録3(大正10年)町内会費米3升を5升に

 
     大正拾年度

   一月七日初集会

一、本年度ヨリ触用米参升ヲ五升宛ニスル事
一、区長、其他、区役員ノ給料ハ昨年之通リトス
一、例年之通リ金銭出納ノ報告ヲナセリ
一、区協議人森田源八(森田朝一さんの祖父)、任期満了ナルモ都合ニ因リ本年ハ居据リヲ諮リ拾壱年度ニ於テハ上ノ協議人森田源八、下ノ協議人友田樫太郎(友田一二さんの父)ノ両氏ヲ改選期トシ、森田祖助(森田博介さんの義父)、荒木利三郎(荒木泉さんの義父)ノ任期ヲ本年度ヨリ改メテ弐ケ年ト極ム
一、山永熊太郎弟正雄(山永美義さんの父)、分家区仲間入之相談アリ、当日ニハ佐世保海軍工廠出勤中ニ付キ区出夫ノ当分免除ノ相談アリ、共ニ承諾ス

    大正拾年七月三日
  村祈祷総会ノ件
一、田植賃金 男壱円拾銭 女八拾五銭 ト定ム
一、半坂杉木入札ハ来月、本月県道修繕ノ件ナス
一、野坂草本谷、ヤナギ谷 玄米五升
        落札者 藤永久米治(京一さんの祖父)
一、越木岩草 玄米壱斗五升
        落札者 藤永三代四郎(隆さんの祖父)

 以上がこの年の記録です。

★ 最初の「触用米」とは現在の町内会会費のことか「触れ役」今なら班長さんへの手当なのはわかりません。調べてみたらこの頃は物価の変動が激しく米も値上がりしています。おおよその値段ですが、米3升は1円強、5升は2円弱というところです。田植えの1日の日当が1.1円(男)ですから安いのか、高いのかどうでしょう。

★ 前年8月に「戊申の詔書」による引き締め策が申しつけられ、何か変化したのでしょうか、役員の任期を延ばしたのはそのためでしょうか。それにしても区長の名前が出てこないのが不思議です。

★ 二男が分家するとき、村役さんたちの了承を受けて、村役場の台帳に「戸主」と認められたいきさつが分かります。この人は大変な力持ちで、2月22日付けの本ブログで紹介しています。

★ 後半の「村祈祷」とは各集落ごとに隣の集落との境(道路)に杭を打って目印にしていたそうです。自分の集落内では、通りがかりのよそ者であっても死者が出たらきちんと弔う風習があったそうです。無縁仏の塔とか、お地蔵さんなど最近あちこちでそのようなものを見かけます。口石町内では今のところ見当たりませんが、きちんと弔ってやろうという気持ちがあったようです。杭打ちは木の杭を舗装していない道路の肩に打ち草を縄のように編んで輪にしていたそうです。これはそれほど長持ちするものではないので、毎年定期的に作業が行われていました。作業の後、集落の無病息災、五穀豊穣をお祈りしていたそうです。

★ その後に、総会をして田植えの労賃を決めたり、部落の野原の草(牛の飼料として)は入札で落札者を決めていたのですね。

以前私が住んでいた所ではシロウオ漁の権利を入札で1人だけ決め、部落の収入としていましたが、現在も続いているようです。




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