2010年5月24日月曜日

昭和2年の議事録から(会議録)

 大正15年は12月25日で終わり、その日から昭和元年になりました。したがって、昭和元年は1週間ほどしかありません。 
 大正時代の議事録は終わり、昭和になったので、これを機会に数字は算用数字に改めカタカナも平仮名に書きなおします。原文になるべく忠実にという気持ちもありますが、もともと縦書きのものを横書きのブログに表すのですから無理がありました。わかりやすいをモットーにします。
 この年は筆跡から3~4人の人が記入しています。鉄筋コンクリートの橋を架けたり、倉庫を新築したりしています。これらについては後篇に回します。
議事録原文を朱書き にします。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
   昭和2年1月7日 初集会 於て
1.大正15年度清算報告
   右証任を受く
2.森木(もりのき)橋掛替の件決定。仔細、評議員之を定む。
3.越木岩(こしきいわ)山林に松苗植付の件
4.尾崎家に居らる産婆寄留の件半額に決定、衛生講丈に入る事
5.芳の浦土場貸賃の件
6.大浦栄作家正夫(正雄の間違い)入営の為、触出合、其の他協議等出夫無きも差し支え無し、但女を出す事
7.芝居小屋契約□□(2字判読できない)す。向2ケ年間1ケ年20円にて、昭和2年、3年迄で以後は其の折り契約す
10.野坂は立松売却の事に決定
       以上
 右詳細は区長、評議員にて之を定む
(なぜ7の次に10が来ているのかがわかりません。後の方で「1月7日追加」として1項だけ記入があります。それにしても2項足りません)

   昭和2年2月14日 於 協議会
1.里道修繕の件。区民2日宛一人前酒代20銭宛支払う事。女は7合の事。1日出不足は1円の事
2.区有地松苗植を2月21日区一般、午後野坂の松立木入札の事

   昭和2年2月21日 口石区有地半坂山林入札
 一金代金450円  落札者 中里村 土井氏

   契約の要件
1.口石区有地半坂山林・松及び雑木一切目下境界の通り、但し杉は除く
2.敷札に充ざる時は当区係員協定に依り之を定む
3.落札者は本日、落札額の一割を入れ契約し、切掛の際は全額支払う可者とす。若し3月中に切掛らざる時は3月末日迄に全額支払う事
4.伐採期間は昭和3年2月28日迄とす
5.本日の酒代は10円とし、6分を当区負担し、4分落札者負担とす

   3月1日
里道修繕開始す。村より砂利代とし187円補助あり

   1月7日 追加

1.分家なしたる者は1ケ年内に区入をなす事。今年より2ケ年は20円宛出の事

   昭和2年4月13日 区総会

一、森木橋の決算報告 承認済み

一、里道設備報告 右同

一、区に於て倉庫建設一般萬上一地(満場一致のことでしょう)承認す。種々設計は役員へ委任す

一、松の上木売却す

   昭和2年7月12日 触の祈祷をなす

一、田植賃は前年迄となす

      男 1円10銭      女 80銭  と定む

   昭和2年7月24日 総会

1.、橋の古材売立件

   買人  松田藤吉氏

代 4円也

2.越木岩の草場入札件

玄米1斗買  福本元三郎氏

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

★ 産婆さんの寄留代を半額にまけています。衛生講だけに加入させるという事は、念仏講には入れてもらえなかったということでしょうか。



★★ 区有林(現在もあります、約1町歩の広さ)の立木を売却しています。松や雑木一切(杉は除く)を1年がかりで切るぐらいの量ですが、450円というのは本当に高いものですね。当時1日の日当が1円、米1俵(60キロ)が約10円の時ですから。

 ここのところは会計帳簿に詳しく書かれています。2月21日土井氏より内入金50円とありますので、立木売却の落札額は500円と思われます。3月末日までに全額支払うという契約になっていますが、少し遅れて4月6日に土井氏は400円支払って終わりになっています。どういう話があったかは今となってはわかりませんが、交渉の末450円と値引きしたのではないでしょうか。議事録には、はじめ500円と書いて、後から線を引いて消し、450円となっています。

   (上の写真は現在の口石町内会有山林入り口付近)

 落札者と村役さんたちが契約の後、10円も出しあって酒盛りをしているので大きな契約だったようです。会計帳簿では、同日、売買の時の酒代として8円70銭計上されていますが、1月29日山を見に行った時の酒代も含まれています。当時木材は建築資材としてだけでなく、木炭を焼けば現金収入が得られたのでしょうね。

 落札者、中里村の土井さんの子孫の方に会って話を聞いてみたくなりました。

 上の写真は工事中の西九州自動車道(佐々ー佐世保道)です。写真の中央奥の山手に昔の村山、現在の口石町内会所有の山林(約1.2ヘクタール)があります。工事中の西九州自動車道がすぐ近くを通りますが、少しもかかる事がなく、手入れすることもなく荒れた山となっています。近くには元町長の所有林が高額で買収されたそうです。

★★★ 道路修繕に砂利代名目で、187円も佐々村当局から補助金が出ています。現在はいろんなものにたくさん補助金が出ていますが、議事録の中に補助金が出てきたのはこの年が初めてです。

★★★★ 橋を架け替えた時、古材を売却しています。材木は大事に扱っていたようですね。

0 件のコメント:

コメントを投稿